兵庫県知事選挙で、パワハラが問題となり失職した前職が当選した結果を知った時、「まさか」と思いました。
NHKは、この選挙の出口調査で、投票する際、最も参考にしたものを「SNSや動画サイト」(ライン、X、インスタグラム、ユーチューブなど)が30%で最大、「新聞」と「テレビ」はそれぞれ24%だったとしています。
SNSを使った選挙運動が認められていますから、選挙演説の動画を撮影して、SNSに投稿すると、それをスマホなどで見ることができます。「パワハラは無かった」などの文章を書いて公開することもできます。
見た人がそのコピーをさらに投稿することで、投票日直前まで、波紋のように広がっていったのです。
(2024年)7月の東京都知事選挙では石丸伸二氏が第2位、総選挙では国民民主党が伸長しました。
私は、これらの選挙結果に何か実感が伴わない、ズレのような感覚を持ちましたが、いずれもSNSなどネット戦略が奏功したと言われています。
ネットでは、誰でも自由に意見を述べることができます。既成のメディアの枠を超えた豊かな可能性が広がっています。
ネットの海が豊穣であるだけに、その中には富栄養化(赤潮)とも思える虚偽、許されない差別や攻撃もあります。
政府に批判的な意見を封殺するなど、権力によるネットの情報を規制することは抑制的であるべきです。利用者が不適切な情報や意見を許さない気運の醸成が重要です。