道立保健所保健師の長時間労働の実態と早期の是正を

新型コロナウイルス感染症対応に奔走する保健所職員の長時間労働が深刻の度合いを増しています。
日本共産党の宮川潤北海道議は、道議会決算特別委員会で道立保健所保健師の長時間労働の実態を明らかにし、早期の是正を求めました。

道立保健所は、かつて45箇所あったものが26箇所となり、道立衛生研究所と合わせた職員数は、2005年度の1364人から昨年度は1134人へ減少しています。コロナ対応に追われる保健所は、疫学調査、入院調整、自宅療養者の健康観察等、コロナの感染拡大に伴い、保健所業務は逼迫しています。

道人事委員会規則では、時間外勤務を命じることができる時間上限は、原則月45時間、年間360時間となっていますが、通常予見することのできない業務量の大幅な増加に伴い臨時的にこれらの上限を超えて時間外勤務を命ずる必要がある場合、月100時間未満、年間720時間以内、2か月ないし6か月の1か月平均が80時間以内等の上限規制が適用されています。
しかし、災害等の緊急時対応への対応など、真にやむを得ない場合には、上限規定が適用されません。

党道議団が調査した2020年度の道立保健所時間外勤務の状況によると、昨年度4月1日時点の道立保健所保健師実人数233人中、1か月101時間以上の時間外労働を行なった保健師は延べ139人、81時間以上100時間未満未満が延べ117人でした。

月最大の時間外勤務は、11月の江別保健所保健師で251時間。年間最大時間数は、江別市保健所の1385時間でした。
1年間の時間外勤務1385時間は、1週間のうち5日間出勤したとして、毎日5時間残業したということになり、深夜11時頃まで毎日残業したことになります。1か月時間外251時間は、土日も休まずに8時間以上働いた上、午前2時半頃まで毎日働いていた計算になります。

宮川氏は「体調を崩して当然というべき状況が現実に起きている」と実態を告発し、早急な是正を求めました。
災害等の発生時に適用される時間外上限規制撤廃は、昨年2月4日から発動され、現在まで続いています。
宮川氏は「昨年2月からずっと緊急事態として時間外上限撤廃が続くことは酷だ」と指摘。コロナ感染に対応する職員をはじめ、職員定数増により過重勤務の解消を図るべきだと強調しました。

若原匡職員監は「長時間勤務を行なっている保健所などの意見を聴きながら、的確かつ迅速に対応できる応援体制づくりをさらに進める」と答弁しました。

(北海道江別保健所キャッチ写真:石狩振興局ホームページより)

道庁のジェンダー差別

私は、11月11日、道議会決算特別委員会で、道庁の非正規公務員の賃金の問題を取り上げて質問しました。
道庁で働く臨時職員や非常勤職員は、今は、会計年度任用職員と呼ばれ、一年単位の任期です。今年働いても、来年も働けるとは限らず、不安が続きます。

年収は、22歳大卒175万円、24歳で205万円となり、その後は何年働いても賃上げにはなりません。正規職員との賃金の差は開く一方です(↓グラフ参照)。
この会計年度任用職員の仕事は、「事務補助など」とされており、男性が26・5%、女性が73・5%と、ほとんどが女性です。
私は、「長く勤めれば勤めるほど、給与格差が拡大」、「女性の賃金格差と不安定な雇用はジェンダー平等の観点からも問題。見直すべき」と主張しました。
公務の職場でのジェンダー差別は、真っ先に解消しなくてはなりません。

(東区民報 2021年12月19日付)

「石炭火発ゼロめざせ」の質疑に「石炭は貴重」と知事強弁

気候危機対策は、総選挙でも争点の一つになり、イギリスで行われた国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)では、石炭火力発電の段階的削減の加速などを呼びかけています。
北海道内には、室蘭製鉄所、日本製紙各1か所、北海道電力の奈井江、砂川、苫東厚真に、石炭火力発電所があります。
北海道議会決算特別委員会で、2021年11月12日、日本共産党の宮川潤道議会議員が、北海道内の石炭火力発電所の廃止を、鈴木直道知事に求めました。

宮川氏は、道が「世界的な気候変動問題の解決に地域から貢献する」としていることを挙げ、その実践を求めて「2030年までに石炭火発ゼロを目指すのか」とただしました。
ところが、鈴木知事は「石炭は貴重なエネルギー資源、(環境負荷の低減をはかりながら)有効に活用していく」と、世界の流れに逆行することを答弁しました。

宮川氏が「『貴重』とはどういうことか、『有効活用』とは今後とも存続・稼働させるつもりなのか」と迫ると、知事は「石炭は地域で確保できるエネルギー資源。地域の経済活性化や雇用の確保に役割を果たしている」と石炭火発の存続を合理化しようとしました。

宮川氏は「北海道の電源は石炭火発の割合が高いのではないか。だから、北海道電力に石炭火発廃止を強力に働きかけなければならない。知事として、その意思と覚悟が必要だ」と知事に決意を強く求めました。