ひめゆり学徒隊の犠牲を無駄にしない

沖縄戦での「ひめゆり学徒隊」の記録である宮城喜久子著『ひめゆりの少女』の内容の一部をご紹介し、不戦の誓いをみなさんと共にしたいと思います。
「壕の中は騒然として、さまざまな叫び声が飛び交っていました。恐る恐る中に入ると、入り口近くには折り重なるように人が倒れていました。おびただしい血が流れ、歩くとぬるぬると滑ります。その中を奥へと進みました。そこで目にしたのは、『助けて!』『痛い、痛い!』と泣き叫んでいる学友たちの姿でした。足元には、どろどろした血の中に人の体が横たわっていました」このような状況の中、看護に尽くしていたのです。
ところが、激戦の真っ只中で突如「ひめゆり学徒隊」に解散命令が出され、見捨てられ、軍の病院壕から出されるのです。
絶望の避難を続け、米兵に追い詰められ、殺されたり、手りゅう弾で自殺を図る人が多数出ます。
このような経験を経て、生き残った元学徒隊の方々が、戦争体験が風化していく中で、このままではまた戦争が起きてしまうのではないかと考え、体験した戦争の実相を伝えるために作ったのが「ひめゆり平和祈念資料館」です。

自民党西田昌司参議院議員は、事実確認もせず、「ひめゆりの塔」の記述が「歴史を書き換える」と言いましたが、良識の府たる参議院にはそぐわない許されない発言です。
戦争の事実から目を背けず、平和への決意としていくことが、ひめゆりをはじめとした痛ましい犠牲者を弔うことだと思います。