ーーー能登半島地震で被災された方にお見舞いを、犠牲となられた方にお悔やみを申し上げますーーー
「どうしても黙っていられない」時があります。言葉に魂が乗り、自分でもびっくりするほど大きな声になります。
「黙っていてはいけない」と思うことがあります。ここで自分が言っていいのか何度も考え直し、気がつくと手のひらに汗をかいています。勇気を振り絞った発言に、回りがしんと静まると、声が震え、頭の中は真っ白です。
しかし、「何も言えなかった」自分にだけはなりたくないから、声を上げます。
それが、ヤジという形になる場合があります。
ヤジ排除事件は、2019年参院選で札幌に来た安倍晋三首相(当時)の街頭演説に、「アベ辞めろ」とヤジを飛ばした男性、「増税反対」と声を上げた女性を多数の警察官が強制排除した事件です。
そのドキュメンタリー映画「ヤジと民主主義」を見に行くと、上映待ちの客が廊下に長く並び、満席でした。民主主義、表現の自由を大切に考え、道警に疑問や怒りを持っている人が多いのだと大変うれしく感じました。
映画には現場にいた人が撮影した動画も使われ、事実がリアルに伝わります。
多数の警察官が力ずくで男性を現場から引きはがしにかかり、男性の上半身は引っ張られて傾きながら両足で踏ん張り抵抗しようとします。しかし、力の差は圧倒的でした。
また、女性を取り囲み腕をつかみ移動させたうえ長時間しつこく付きまといます。
この事件は現在裁判中ですが、「安倍さん頑張って」は排除されず、「アベ辞めろ」なら排除するのであれば、警察は、政権を守るために国民を取り締まっていることになります。公正な判決が期待されます。
(東区民報 2024年1月21日付)