施設退所者に教育の機会均等を

日本共産党の宮川潤北海道議会議員は、8月3日、少子高齢社会対策特別委員会で、児童養護施設退所者などへの支援強化を求めて質問しました。

手塚和貴自立支援担当課長は、「昨年度、全道の大学等(短大、専門学校等を含む)進学率は75・4%で、児童養護施設退所者では38・5%」と大きな格差があることを明らかにしました。
宮川氏は、「大学の進学率が全てではないが、子どもの可能性を広げる意味で、進学も就職も含めて広い選択肢があることが必要。(進学率が低いことは)重大ではないか」と道の見解を求めました。
鈴木一博少子高齢化対策監が「施設退所者の進学率は、相当低い状況で、大きな課題」としましたが、宮川氏は、憲法第26条第1項の教育を受ける権利、教育基本法第4条の教育の機会均等に照らし、「人権の問題と位置付けて、取り組みを抜本的に強化すべき」と訴えました。

さらに「(施設を出て)アパートを借りる際の保証人がいない、就職にあたり身元引受人がいない、携帯電話の契約や奨学金等を借りる保証人もいない。初めての一人暮らし(の困難さ)と孤独が、18歳の人にいっせいに襲いかかってくる。児童福祉法の支援対象年齢が広がることを、今後どう生かすのか」とただしたことに対し、鈴木対策監は「進学、就職に係る費用の支給や身元保証人の確保などきめ細かな支援、施設等からの状況把握、退所者から意見を聞くなど、体制整備に取り組む」と方針を示しました。
宮川氏は「憲法第14条法の下の平等を施設退所者等に生かさなくてはならない」と、さらなる支援の強化を求めています。