物価高が暮らしと営業を襲う

北海道新聞が、2020年と今年3月の物価の比較を報道しました。生鮮魚介が16・8%の値上げ、生鮮野菜が11・9%、電気代が15・7%、ガス代が11・3%、灯油など他の光熱が31・6%です。
コロナ感染で停滞していた消費が増えてきたこと、政府の金融緩和策によって円安が進み輸入品の価格が上がっていること、ロシアとウクライナの戦争の影響などが考えられます。
先日、東区内のご夫婦で経営されているパン屋さんに行き「戦争の影響で小麦価格が上がっていませんか?」とうかがうと、「実は大変なんです」と不安な胸の内を聞かせてくれました。
国内で消費される小麦の9割が輸入で、多くは政府が輸入し、製粉会社に売り渡します。アメリカ・カナダでの不作のため、昨年10月に19%、今年4月に17・3%値上げしているのです。そして、今年10月の価格改定では大産地であるロシア・ウクライナの戦争の影響で「40%もの値上げも考えられる」という評論家もいます。この3回の値上げを当てはめると、昨年の値上げ前に170円だったものが332円になる計算になります。パンの価格は小麦の他、光熱費や人件費なども関係しますから、単純に計算できないとしても影響は大きなものです。
日常生活で食べるパンは容易に値上げできません。小麦の値上げは、個人経営の小さなパン屋さんにとって死活問題なのです。
政府は当面する支援策とともに、食料自給率を上げることに本気で取り組まなければなりません。

(東区民報 2022年5月15日付)