日本共産党の小池晃参議院議員に、田村憲久厚生労働相が、生活保護申請を阻む大きな壁となっている扶養照会は「義務ではない」と答弁したことが注目されています。
さらに、日本共産党の宮川潤北海道議会議員は、保健福祉常任委員会で取り上げ、「申請者の理解を得たうえで実施」との答弁を引き出しました。
宮川氏は、生活困窮者支援を行なっている「つくろい東京ファンド」のアンケートで、生活保護利用者と過去に利用した人の54.2%が、生活保護申請者の親族に援助の可否を問い合わせる扶養照会に抵抗感があったと回答していることを述べ、扶養照会の範囲、金銭的援助の実態をただしました。
森本秀樹保護担当課長は照会範囲を「直系の血族及び兄弟姉妹」とし、「過去に申請者から扶養を受けるなど特別な事情のある3親等内の親族」と、「特別な事情」がない限りおじ・おば等は照会の対象とならない旨を答えました。金銭的支援については、2か所の福祉事務所に聞き取った結果「新規申請の34世帯に対し122人の扶養義務者が確認されたが、金銭的援助を行うとの回答はなかった」ことを明らかにしました。
宮川氏は、「扶養照会は、保護申請の高いハードルになっているうえ、実際の金銭的援助はない、事務は煩雑であり、やめるべき。まず、配慮ある対応、すなわち申請者の理解の上で照会をおこなうべきだ」としたことに対し、佐賀井祐一福祉局長は「申請者に懇切丁寧に説明し、理解を得たうえで実施する」と約束しました。