北海道は、食と観光対策特別委員会で、日本共産党の宮川潤議員の質問にこたえて、カジノ誘致申請を断念することを明らかにしました。
汚職にもつながったカジノ誘致
北海道では、苫小牧市、釧路市、留寿都村を候補地として、IR(カジノを中心とする統合型リゾート)誘致の検討を進めてきました。その一つである留寿都村は、秋元司衆議院議員のIR汚職事件の舞台にもなりました。
一度目の誘致断念
2019年11月、それまで前のめりだった北海道が一転、知事が道議会で「(候補地である苫小牧市に)希少な動植物が生息する可能性が高く・・・申請は見送る」と断念を表明する一方、「来たるべき時には挑戦」と含みを持たせました。
菅内閣の期間延長
昨年末、菅義偉内閣がIRの「基本方針」を決定し、地方自治体からの誘致申請が今年7月までだったものを、来年4月までに延長しました。
揺れ戻る知事
議会でIR議論が再び持ち上がると、鈴木知事は「IRのコンセプトを構築し、具体的な事業構想につなげていくなど計画的に取り組んでまいる」と、誘致に向かって揺れ戻しました。
カジノ会社事務所閉鎖
14日、食と観光対策特別委員会で、宮川氏の質疑に対し、佐々木敏観光局参事は、「(該当地区に)希少猛禽類の営巣。苫小牧市内のカジノ事業者4社のうち3社の事務所が閉鎖」と答えました。
二度目の断念
宮川氏が、「コロナ感染の影響で、世界のカジノの客数・売上が激減。ホテルなどを含めたIR全体の収益を、カジノが支えるという考え方はもう通用しない。来年4月までに国に申請することは時間的にも無理で、断念すべきではないか」と追及すると、大内隆寛観光振興監は「今回の申請期間のもとでは、十分な検討期間が確保されたとは言えない」と断念する旨の答弁をしました。宮川氏は「将来に渡って、カジノ設置は断念すべきだ」と強調しました。
(通信・宮川潤)