北海道が2017年度の「ひとり親家庭生活実態調査」をまとめました。 母子・父子世帯の貧困と孤立の状況が表れています。
私は、これらの問題を議会で取り上げて支援を強化するように求めていきます。
親が職業訓練を受け資格(看護師など)を身につけることで正規雇用となり所得が増えること、保育料の減額や各種助成制度など、求められているはたくさんあります。実現を目指して頑張ります。
会議録 |
2018年5月9日 北海道議会 少子高齢社会対策特別委員会 「ひとり親家庭生活実態調査について」
●宮川 3月に、ひとり親家庭の生活実態調査がまとめられ、厳しい実態があらためて明らかになった。
私は、ひとり親世帯とくに母子世帯の低収入の問題、またとくに父子世帯が孤立しがちであることが問題であると考えているが、どのような認識をお持ちか、まず示されたい。
▼答弁 ひとり親家庭の生活実態についてでありますが
この度実施した調査において、母子世帯では、非正規雇用の割合が高いことをはじめ、年収300万円未満の世帯が8割な上となっていること、父子世帯では、子どもに関する相談相手がいないとする回答が他の世帯区分より高いことなどが明らかになった。
道としては、ひとり親家庭は、雇用潔境や家計の状況に加え、子どもの学習や進路等の子育てに関する楷みも抱えているなど、厳しい生活実態にあると認識。
●宮川 貧困がとくに母子世帯で厳しい状況であること、孤立がとくに父子世帯に起こりがちであるという傾向があらためて明らかになった。
そこで、孤立に関してですが、父親の中には悩みを抱え込んでなかなか相談できないという人も多いと思います。この点、私も、とてもよくわかる。
そこで、お父さんも相談しやすい体制や、相談できるところがあることを知らせていくことを強化すべきだが、どのような対処をお考えかうかがう。
▼答弁 相談への対応などについてでありますが
道では、ひとり親家庭が孤立することなく安心して生活するためには、一人ひとりの状況に応じた相談対応や支援が大切であると考えている。
今回の調査では、相談相手がいない父子世帯が多いことや制度を必要とする方に情報が十分イ云わっていないことが明らかになったところであり、道が設置する母子家庭等就業•自立支援センターや福祉事務所などにおいて、ひとり親の相談を行っていることを各種制度とともにお知らせするリーフレットを市町ホホを通じて配布する取組に加え、教育部門等と連携して、学校等を通じた周知に努めるなど、相談機関や支援制度の一層の周知を図ってまいる。
●宮川 孤立対策について、相談体制を知らせるリーフレットの配布、学校を通じた周知ということでした。とくに、学校からの連絡にはきちんと目を通す人が多いと思うので、効果を発揮できるように期待したいと思う。
もうひとつの問題、所得が少ないことに関してだが、母子-父子世帯の親の雇用形態について伺うが、正規雇用.非正規雇用の割合はどうなっているのか、お示し願う。
▼答弁 ひとり親家庭の雇用形態についてでありますが
今回の実態調査において、就労しているひとり親家庭の雇用形態については、母子家庭で、正規雇用の割合が38. 8%、臨時やパートタイマー、派遣社員等の非正規雇用が56%、父子家庭で、正規雇用が70. 3%、非正規雇用が19. 2%となっている。
●宮川 母子•父子ともに厳しい状況ですが、とくに母子世帯においては年収300万未満が8割な上で非正規雇用が56%ということだ。
収入増と正規雇用化をはかるためにも職業訓練等によりスキルアップし資格を取ることも求められていると考える。
ひとり親世帯の親を巧象にして、高等職業訓練促進給付金等事業が実施されていると承知しているが、制度の概要と、道内巿町村の実施状況と人数の推移をお示されたい。
▼答弁 高等職業訓練促進給付金等事業についてでありますが
この事業は、ひとり親家庭の親が看護師や保育±等の公的資格を取得するため、1年な上養成機関で修業する場合に生活費と入学金等の一部を給付し、その期間中の生活不安の軽減などを図るもので、平成1日年度から行っている。
〇指定都市、中核市を除く全道の給付実績は、平成26年度は、35巿町村で172名、平成27年度は、31市町村で133名、平成28年度は、32市町村で126名となっている。
●宮川 事業の受給者が172人、133人、126人と減少しているが、今後とりたい資格•免許•技能」の設問に対して、なんらかの資格等を取りたい旨の回答した人が、母子で54.2%.父子で45.5%もおり、要求は強いものと考えるところである。
今後、制度の充実、に報などの取り組み強化を図るべきと考えるが、いかがか。
▼答弁 今後の取組についてでありますが
道では、ひとり親が本事業を活用し、公的資格を取得することは、安定した生活に資する有効な施策の一つと考えている。
こうした資格取得による就業の一層の促進を図るため、今年度から、准看護師養成機関を卒業後、引き続き看護師資格を取得するために修学する場合も事業の対象に加えることとしたところであり、改正内容等について、市町村に報誌への掲載やリーフレットの配布等により周知を図るなど、ひとり親の就業支援の強化に取り組んでまいる。
●宮川 制度の改正内容を踏まえて、広報やリーフレットの配布を行うとのことですが、この制度を活用して資格を取る人が増えるという結果を出せるように積極的に取り組んでいただきたい。
次に、寡婦控除のみなし適用について質問する。
所得税法第八十一条には、「居住者が寡婦又は寡夫である場合には、その者のその年分の総所得金額」等から27万円を控除する」と寡婦控除について規定されており、また、第二条の30項と31項に、「夫と死別し、若しくは夫と離婚した後婚姻をしていない者」「妻と死別し」等と、寡婦および寡夫について規定されている。
すなわち、寡婦控除を受けられる者は、死別または離婚したものであり、非婚の親は寡婦控除の対象外とされている。
私ども日本共産党は、非婚の場合には寡婦控除を受けられないのは不当であると国会や地方議会で主張してきました。
2015年10月に国王交通省は、公営住宅の入所基準や家賃の算定で、非婿のひとり親に寡婦控除のみなし適用をする政令改正を行いました。
さらに、保育料算定における寡婦控除のみなし適用について、しんぶん「赤旗」が、全国の政令指定都市および中核巿、その他の県庁所在地、東京23区の合計105自治体について調査したところ、その88%にあたる92自治体で、実施していることがわかったところです。
道内での実施状況はどうなっているのか、明らかにしていただきたい。
▼答弁 寡婦控除のみなし適用についてでありますが
夫と離婚し、子どもがいる方などを寡婦として所得税額や市町が民税額の算定の際に所得控除を受けられる寡婦控除は、未婚のひとり親には適用されていないもの。
市町村における保育料の算定については、この市町村民税額を用いている中、
これまで一部の自治体では独自に未婚のひとり親も寡婦とみなして、保育料の軽減を図っており、平成28年8月現在、道内の政令市及び中核市を除く176市町村中、30市町がこうしたみなし適用を行っている。
●宮川 全国の政令指定都市および中核市、その他の県庁所在地、東京23区では88%が、保育料の寡婦控除みなし適用を実施していますが、道内においては、30市町のみで、143市町ホすは実施していないとのことで、全国の都市部を比べて遅れているのが現状の到達点だ。
その143市町村での非婚の親の保育料や、その他の制度についても、今後、寡婦控除のみなし適用がにがっていくものと考えられる。
その際、速やかに実施していくこと、制度の拡充を知らない住民に適用されないということが起こらないように、みなし適用の拡充を徹底し、非婿の親に対する支援を強めるべきですが、決意をお聞かせください。
合わせて、制度の拡充をしたために市町村の持ち出しが増えるということが無いようにすべきですが、いかがか。
▼答弁 ひとり親対策の充実についてでありますが
国においては、ひとり親への支援強化を図るため、今年度から保育料をはじめ、高等職業訓練促進給付金の支給等に係る所得額の算定において、未婚のひとり親に巧する寡婦控除のみなし適用を実施することとしたところであり、道では、道民への周知とともに、市町村に通知を行い、適切な運用がされるよう徹底を図ることとしている。
道としては、ひとり親家庭の自立に向けては、一人ひとりに寄り添った相談を行うことはもとより、家庭生活の支援をはじめ、資格取得等の就業支援などを総合的に展開することが重要と考えており、庁内関係部局で今回行ったひとり親家庭生活実態調査の結果を共有するとともに、国の動向を見極めつつ、有識者や市町村などで構成する
子どもの未来づくり審議会等の意見も伺いながら、ひとり親に対する支援の一層の充実に取り組んでまいる。
●宮川 みなし寡婦控除について、市町村に適切な運用がされるよ
う徹底する、また、国の動向を見極めるとのことでした。道内143市町村のひとり親世帯の保育料をはじめ各種制度が、寡婦控除のみなし適用によって今後引き下げられることは大いに喜ばれることと思います。これを確実に実行ずるためには、市町村の財政的負担なく制度の導入をすることが必要ですので、その財源について国に要望することを指摘する。
今回は、母子世帯•父子世帯とそれぞれ祖父母のいる世帯について、調査結果が示されたが、両親ともそろった世帯との比較をすることも必要であることについて、併せて指摘する。