道内のサケの孵化(ふか)場等で、サケの盗難が相次いでいます。
- 10月9日渡島管内八雲町の遊楽部(ゆうらっぷ)川のサケ捕獲場で、鮭25匹分が盗難
- 10月24日には後志管内岩内町の岩内孵化場で雌173匹、雄6匹
- 10月26日に渡島管内函館市の大船孵化場で九十六匹
- 10月27日、上ノ国孵化場では、監視カメラが破壊され、蓄養地の水を抜き雌鮭18匹と雄鮭六匹が盗難。
被害額ですが、岩内の場合、卵が八十七キログラム盗まれており、新聞等では69万円相当としていますが、それは、イクラとして販売した場合の価格です。
87kgの量の卵は、26万粒程度と考えられます。
サケの稚魚を放流して、元の川に戻ってくるのは(回帰率)3%程度ですから、26万尾の稚魚のうち、親サケになって帰ってくるのは7,800尾ほどです。
仮に、一尾平均4,000円と計算すると、3,120万円の被害ということになるのです。
今年は、サケが不漁でイクラの価格が平年の二倍にもなっているために、盗まれたと考えられます。
不漁のため孵化場でも採卵するサケが足りないところに持ってきて、大量に盗難されれば、放流する稚魚が確保できなくなり、4年後にはもっと不漁になってしまいます。
盗み自体許されませんが、卵だけを取りだしサケを投棄するやり方も、今後のサケを確保する点でも、許されないのです。