国土建設省北海道開発局は、現在進めている「幾春別川総合開発事業(新桂沢ダムおよび三笠ぽんべつダム建設)」の計画変更(工期延長と事業費増額など)について、鈴木直道北海道知事の同意を求めました。
これらのダムの当初計画で工期は1985年から2004年まで、事業費700億円、うち道負担101億円とされていました。
しかし、今回で計画変更は4度目となり、工期は2030年度まで26年間延長、事業費は1667億円と967億円増額(約2.4倍化)、道負担分は244億円と143億円増額(約2.4倍化)という内容です。
宮川潤道議会議員は、6月25日、道議会予算特別委員会各部審査で、「これまで計画変更の都度知事は、同意しながら『今後は総事業費の増額を行なわないこと』と制限をつけたが、その制限はことごとく踏みにじられ、さらなる変更・事業費増額が繰り返されてきた。今後も同じことが繰り返されるのではないか」と質問しました。
北谷啓幸建設部長は、「変更内容はやむを得ない。今後は、総事業費を縮減すること、執行状況の透明化をはかることを国に求める」としました。
宮川氏は、納得せず、7月1日に知事に対して「知事意見は国に一貫して採用されず軽んじられている。今回は当初計画の2倍を超える事業費になる。ここで歯止めをかけるべき。言うべき時は、誰が相手でもしっかりものを言うべきであり、知事から国に強く言うべきだ」と厳しく追及しました。
鈴木直道知事は、「知事意見は国において真摯に受け止められるべきもの。私から、直接、国に対し求める」と、初めて知事自身が国に直接「今後増額しないよう」意見を述べることを明言しました。
宮川氏は「国に『(今後だけではなく今回の増額も)同意できない』と言うべきだ」と指摘しました。
赤旗通信