北海道は、2019年9月9日、道議会保健福祉委員会に「ギャンブル等依存症実態調査」の中間報告を行ないました。
全体像の把握は難しい
アンケートに医療機関205か所、相談機関516か所から有効回答を得たものです。
医療機関の回答では、一年間で、ギャンブル等依存症で通院した人が212人(うち177人がパチンコ・パチスロによる)、入院は11人に上ることが明らかとなりました。
相談機関では、ギャンブル問題での相談が358件あり、本人の自覚(病識)がなく解決に結びつかないことなどが課題となっていることがわかりました。
日本共産党の宮川潤道議会議員が7月5日の予算特別委員会で調査項目に加えるべきと求めた家庭的・社会的影響について、畑島久雄精神保健担当課長は、
医療機関への調査で「触法行為が22人、自己破産が40人」いること、相談機関から「多重債務138件、貧困111件、DV54件」あるとの深刻な実態が浮き彫りとなりました。また、「財産の浪費、暴力等による家族関係の悪化など子どもや家族に及ぼす影響を調査しており、(今後作成する)ギャンブル等依存症対策推進計画に反映させる」と述べました。
一方、依存症の人数については、「全体像の把握は難しい」とし、治療の終了または中断の後に「再発した人数は把握していない」、「(ギャンブルは)節度を保って楽しむもの」としました。
節度を保てなくなるから
宮川氏は「節度を保てなくなるから依存症になるのではないか。実態調査の結果を、依存症やギャンブルに伴う被害と苦しみをなくすために生かすべき」と訴えました。