2015年度決算に対する本会議討論

私は、日本共産党北海道議会議員団を代表して、報告第1号及び第4号に対して、不認定の立場から討論します。

報告第1号は、平成27年度北海道一般会計及び特別会計歳入歳出決算です。

暮らし、福祉の充実という道民の願いに、逆行

不認定とする第1の理由は、暮らし、福祉の充実という道民の願いに、逆行する立場だということです。
国民健康保険料や介護保険料が高すぎて、払えないことが大きな問題になっていても、道としての軽減策には全く足を踏み出そうとしていないことは問題です。
さらに、道内全市町村が実施している子ども医療費助成事業の拡充や、多子世帯の保育料の軽減など子育て施策は極めて弱いままで、少子化対策になっていません。
また、決算特別委員会でも指摘しましたが、2015年度のがん対策予算は1億8千万円、2013年度比でわずか7分の1と大幅に減額され、がん死亡率・全国2位という現状にふさわしい事業とはいえません。
道内の公立高校数は、2015年度203校で、知事が就任した2003年度の241校から、38校も減りました。人口減少・地域崩壊に拍車をかけるような政策を改め、どこに住んでいても高校で学ぶことができるよう、教育環境の整備を進めることを強く求めます。
北海道新幹線の整備に対しては127億円を負担した一方で、JRの地方線を維持するための歳出がゼロ=まったく財政支援がないことも問題です。
国鉄の分割民営化の際につくった経営安定基金の運用益の減少など、国の責任をただし、国に対して抜本的な支援スキームを求める上でも、道として必要な財政支出を行うべきと指摘します。

不要不急の大型公共事業への支出が増大

不認定とする第2の理由は、住民の暮らし、福祉を抑制する一方で、不要不急の大型公共事業への支出が増大していることです。
道営厚幌ダムの事業費は、2015年度決算で85億4千万円、総事業費は480億円と、5年前から120億円も増えました。
平取ダム、サンルダム、新桂沢ダム、三笠ぽんべつダムの国直轄3事業4ダムも、知事が2012年秋に「同意」して以降、道負担は2億2千万円から、2015年度は17億9千万円へと8倍以上に膨れ上がっています。
一方で、2015年度も道管理河川の環境維持補修費を半減させた流れは変えておらず、それが今年8月、9月の大雨・台風被害を大きくさせた要因と考えられるということを指摘しなければなりません。
また、開発道路から移譲された道道名寄遠別線の事業評価が不十分なことが、決算特別委員会の質疑で明らかになりました。8キロの路線短縮で、通行時間がいくら短縮となるのか、示されておらず、公共事業評価専門委員による現地調査も実施されていません。
評価委員会での議論を深めるとともに、所管部局の責任で再々評価システムなどの検討も必要だと指摘します。
以上の理由により、報告第1号については不認定とします。

平成27年度北海道工業用水道事業会計決算について

次に、報告第4号・平成27年度北海道工業用水道事業会計決算について、不認定の理由は、過去の過大な水需要に基づく赤字経営を、一般会計からの繰り入れで処理する枠組みが変わっていないことです。
「未稼動資産整理」のための補助金は今年度で終了しますが、水源転換に係る補助金は2027年度まで継続し、一般会計からの補助金累計額は244億円に上ります。
今後、水道設備の老朽化が進行しますが、配水管等の更新や修繕の費用については、「借入を抑制」するとはいうものの、独立採算でおこなう見通しは立っていません。
以上、議員各位のご賛同をお願いし、報告第1号、及び第4号を不認定とすべき、私の討論といたします。

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